端渓硯 老坑 1
天下の名硯 端渓硯 老坑
硯といえば『端渓』と言われるほど、端渓硯はその石質の優秀さで古来より人々を魅了し続けてきました。
端渓硯は唐代に発見されて以来、現在の広東省肇慶市斧柯山(かんとんしょうちょうけいしふかさん)周辺の約50㎞の範囲から、多くの種類の硯材が産出されてきました。宋代初期には70有余の坑があったと伝えられております。硯材は採石される場所によってそれぞれ石質が異なり、端渓硯といえどもピンからキリまであります。
端渓硯老坑はかつて皇巌(こうげん)、貢品(こうひん)と呼ばれ、歴代皇帝の硯石でありました。唐代から清朝光緒帝(しんちょうこうしょてい)(1908年)の時代まで老坑の採石にあたっては監督官を任命派遣し、管理監督をさせた硯材でありました。
老坑を一般人が入手できるようになったのは中華民国(1912年)以降であります。しかしながら1998年に老坑の坑道は閉鎖、2007年には斧柯山周辺のすべての坑道が資源および自然保護の名目で閉鎖され、その周辺一帯が自然保護区に指定され観光地化されました。現在、市場に有る老坑は1998年以前に採石された限られたものです。
さて、老坑のその優秀な石質は『緻密、柔軟かつ堅硬である』と言われます。“柔軟”かつ“堅硬”という、相反する特性を合わせ持つ硯は他になく、老坑が天下の名硯と言われる所以です。老坑の特徴を表す表現に『赤ん坊の肌のような触り心地』と言われますが、正にその緻密さ柔軟さを表現したものです。しかも墨がよく磨れて摩耗しない強い『鋒鋩(ほうぼう)』を先人は『久用鋒鋩不退』と称えています。実際、老坑で墨を磨ることは、墨を磨るというよりも、手で圧力を加えることなく硯面を墨で撫でる感覚に近いと思います。墨が硯にひっつく感覚で墨の重さだけで磨れていくのです。『バターが溶けるように墨が溶けていく』という表現をされる方もいます。そして、そのような緻密な老坑で磨られた超微粒子の墨汁は、その墨本来の墨色を最大限引き出すのです。
商品名 | 端渓硯 老坑 1 |
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サイズ | 22×20×2.8㎝ |
価格 | 550,000円(税込) |
項目 | 硯 |